自由意志

日常のささやかな出来事を少しだけ面白く表現したい

表があれば裏があるものなのだ ~ラブ&ピースなストーリー~

先日、仕事で某ホテルに出向いた時の話です。
僕の仕事は厨房機器のメンテナンスであり、今回は冷蔵庫が冷えないから来てくれと依頼されました。
早速ホテルに到着すると、ビジネスチックな印象よりもラブ&ピースの出で立ちでした。車を車庫に入れるとシャッターが下がり、受付せずにそのまま部屋に入れる優れもののアレです。例外はありましょうが、ほとんどは男女2人でINNするアレです。もっと言うならば、休憩と宿泊を選べる謎のシステ

 

えっ?

もう分かるって?

 

これはこれは大変申し訳ございませんでした。
気持ちが高ぶりつい筆が進んでしまいました。そう、あなた様のご想像通りの立派なラブ&ピースなホテルで冷蔵庫を修理する運びとなりました。

 

ただ、僕が修理に向かった先は部屋の中の家庭用冷蔵庫ではなく、ホテルの厨房の業務用冷蔵の為、ホテルの中の様子までは分かりませんでした(チッ)。気になる方もいらっしゃると思いますので一言だけ付け加えておきますと、ラブ&ピースのお客様は多くINNしておりました。(僕が訪問した時間はお昼過ぎでした)

 

そんなこんなで裏口から入って厨房に向かいました。

 

僕:こんにちはーーー。冷蔵庫の修理に伺いましたーーー。

 

スタッフ:はーい!

 

 

すると奥の方から食堂のおばちゃんの容姿の女性が出て来て、案内されました。そこにもスタッフが3,4人掃除したり料理をしたりして働いていました。
ここで少し想像してほしいのですが、ラブ&ピースのホテルの裏側で働いている方がどんな方なのか。僕はホテル経営者の身内で働き先が少ない年配の方がほとんどではないかと思っておりました。ラブ&ピースなホテルで働いているのはおそらく外では知られたくないと想像したのです。
ところがどっこい(死語)、出迎えてくれた食堂のおばちゃん風の人以外は若い主婦でした(男性はゼロ)。しかも壁には業務上の注意事項やレシピ、勤務表等が掲げられておりとても真面目に一生懸命に働いている様に見受けられたのです。
僕はこの事に少なからず感動を覚えたと同時に、無意識にですがラブ&ピースなスタッフが一生懸命労働しているとは思っていなかった事をここに懺悔します。大変申し訳ございませんでした。

 

冷蔵庫の修理の話に戻します。冷蔵庫本体の設置場所が悪く、手洗い場をどかさなければ修理が出来ない状況でした。勝手に物をどかすのはご法度なので、スタッフ(女性)にその旨を告げるとなんとモンキーとドライバーを持ってご自身で撤去してもらえました。この場合、ほとんど「私できないので、どかしてもらえませんか?」と言われるし、僕も撤去の許可が欲しいだけで、自分で撤去するつもりでいました。そしておそらく、この冷蔵庫も自分でどうにか直せないか試したと思われます。とりあえず自分でやってみるという心意気にまたもや胸を打たれました。
その後に診断、軽症だった為、修理して再び冷えるようになり一件落着です。
良かった良かった!!

 

 

 

ラブ&ピースなホテルだからと少し浮ついた気持ちになってゲスな事を考えていた事を、この場を借りて謝罪したいと思います。

 

修理終わりに表に出た時、50代くらいの男女がホテルから帰って行くのを目撃した際にも「不倫か!!不倫なのか!!?」と感情が揺さぶられてしまった事もここに告白致します。神様、ゲスな30代半ばに差しかかった僕にどうぞ恩赦を。アーメン。

 

日常にはない夢が詰まったお部屋の裏側には様々な方の頑張りがある事に気付かされました。その様な普段は日の目をみない方にこそ、心の中で感謝していきたいと感じたラブ&ピースなホテルでのお仕事でした。もうかれこれ10年以上は行ってねーなー。

 

 

 

それではまた!

ラブ&ピース!!