自由意志

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コンビニエンスな日々⑧  ~店長になってやった~

前回のコンビニエンスな日々 

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念願の店長になった。
僕の大嫌いなアゴの長い店長とやっとオサラバ出来た。
ヤッタ!!あのクソみたいな店長からやっと解放された!
スタッフには申し訳ないとは思ったが、当時の僕は生きる事に必死だった。自分の事以外に考える余裕はなかった。

 

異動先のお店で、全てリセットした上で自分の力でお店を良くするんだ!
その思いでいっぱいだったし、久しく見ていなかった希望の光が目の前に現れた事が何より嬉しかった。よし!心機一転頑張るぞ!

 

とはならない・・・・。自分が離れられたのは本当に嬉しかった。心から安堵した。しかし、現実は僕が異動すれば当然ながら他の誰かがその椅子に座る事になる。そして今回その椅子に座るのは新卒の若手、初副店長であった。キラキラしてやる気と希望に満ちた笑顔が僕の心に、重く沈んだ鉛の様にのしかかった。業務引継ぎと呼べるものはしなかった。店長が変わらないのであれば、副店長が交代になっても引継ぎをする必要がない。正直、助かった。最も引き継がな刈ればならない事は、もちろん引き継がなかった。自分でもクソみたいな人間だと分かっていたが、もうこの頃は自分の事しか考えられなかった。自分は新しく生まれ変わるんだと勝手に理由をつけて無理矢理見ない様に、店長業務に没頭した。
後に結局余計に大きな問題となって自分の身に降りかかるが・・・。

 

 

 

 

 

コンビニエンスの業務の多くは「店長」と「副店長」と「パートアルバイトスタッフ」に分けられる。会社や店舗で呼び方はオーナーやチーフ、マネージャーと変わってくるが、大体似たようなものだ。

 

店長:簡単に言うと店舗全体のマネジメント

副店長:簡単に言うと店長とスタッフの間の仕事。

アルバイト:レジ接客、検品・品出し、掃除、店内調理等

 

 

とまぁ、店長の仕事は多岐にわたるので説明が難しいけども、僕が店長になって一番やりたかった事が「人と向き合う事」だった。
反面教師ではあるが、最低の店長と仕事をして気付いた事は
「人を軽んじる人には誰もついてこない」
という事。
「こっちは給料出してるんだから俺の言う通りに働けよ」
という態度の人には誰もついていかないでしょう。店長は正にそのような人だった。
バイトに欠員が出ても、自分は入らずバイトにワンオペさせる。レジに行列が出来ても無視して事務所で電話してケタケタ笑ってるような人間。
パートさんの子供の急な体調不良により、休み希望の電話にも聞く耳持たず、平気で出勤させるような下劣な人間。
この様な店長(人間)にはなるまいと固く誓った。
そして僕が店長になって実施した事が3つ。

 

 

①全てのスタッフと面談

②バックヤードの完璧な整理

③給与明細を手渡し(と軽い面談)

 

【全てのスタッフと面談】の狙い

今、お店が直面している問題やパート・アルバイトの悩みについて把握したい事に加え、「お、次の店長はなんか違うぞ」と思わせる(←大事)。

 

【バックヤードの完璧な整理】の狙い

これが一番効果絶大。「次の店長は自分たちの事を考えてくれている!」と思ってもらえる。バックヤードが汚いお店の大体は従業員の働きやすさ、環境を考えないままに自分本意な事をする傾向にある。特にベテランには一発で良い印象を持たれる。

 

【給与明細を手渡し】の狙い

酷いお店だと給与明細を渡さない、あるいは「机の上に明細置いておくから取って下さい」と書き置きして明細を全員分束にしてドンと置いている店もある。これは最低の行為だと思う。だから僕は「1か月お疲れさまでした」と両手で渡すことを徹底した。加えて「最近どう?」とか「変わった事、悩み事はない?」と聞いて軽く面談したりした。すると案外口を開くパートさんも多い。こうゆう場を設けずに自分で抱え込んでしまい、パンクして退職する人も結構多い。だからこそ、日ごろからパートさんと話す場を設ける事は大事だ。

 

 

コンビニエンス直営店あるあるだが、店長はコロコロ変わる。従って特にベテランパートさんは最初様子見したり何かしらジャブを打って牽制してくる。「言いなりにはならないわよ」みたいに。まぁ店長が変われば方針が変わるのでパートさんが言いたいのも分からんではないが・・・。とは言え受け入れてもらわなければこっちも困るので少しずつお互い歩み寄る姿勢が必要だ。
その意味では面談した事が後々になって効いてきて、1か月後にはまぁまぁ上手くやれるようになってきた。とは言えこのお店も課題は山積しており、やらないといけない事ばかりだ。

 

よし頑張ろう!!