自由意志

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突発性難聴は治るのか治らないのか自分の経験から伝えたいこと  ~前編~

「突発性難聴」という病名を耳にした事はありますか?
僕は1年程前にこの病気に罹った経験があります。
このやっかいな病気ですが、僕の場合は幸いな事に完治する事が出来ました。
しかし、これは運が良かったと言わざるを得ない怖い病気なのです。
どういう経緯で病気に罹り、治療し、完治したのかを綴りたいと思います。
もし、突発性難聴が疑われる症状が現れた場合、参考にして頂ければ幸いです。

 

突発性難聴とは

突発性難聴とは、「朝目が覚めると発症しているような突然発症する難聴」です。2001年の厚生省研究班調査によれば「突発性難聴で治療を受けている人」は年間で約35,000人と推定されており、30~60歳代が中心です。男女差はほぼありません。

※参照☞突発性難聴について | メディカルノート

 タレントでもKinKi Kidsの堂本剛氏、浜崎あゆみ氏、スガシカオ氏、山本譲二氏他多くの方が発症している。

 

原因

 諸説ありますが、実は明確な原因が分かっていません。ウィルス感染や疲労、ストレスが関与していると考えられています。

 

 症状

多くの場合は、突然に片方の耳が極端に聞こえ辛くなり、耳鳴りがします。 
それに付随して頭痛、吐き気、睡眠障害等を引き起こす場合があります。
再発はほとんどありません。

 

と、メディカルノートさんのサイトを参考にして簡単に「突発性難聴」を紹介しました。ここからは僕の経験を綴ります。

 

 

 

いつも通り朝7時に目覚めた。
特に何も変わりなく、体調不良等微塵もない。
最近働き過ぎている事もなく、過度なノルマやストレスに晒されているわけでもない。
いたって平凡なこの頃である。一週間後にはこの日の事を何も記憶していないだろう。
ところがである。
まさか自分の身に初めて何か起きていると思い知らされる事になろうとは、この平凡な朝には想像すらしていなかった。

 


何かおかしい・・・。
そう思ったのは車に乗って仕事に向かう途中の事だった。
言い表しようのないザラザラした音が聞こえる・・・というより脳に直接響く。
こんな事は初めての経験だった。
今まで健康体で生きてきた僕だ。その内直るだろうと気にも留めず、そのまま仕事に向かって車を走らせた。

僕は仕事上、車に乗る時間が長い。
その為いつでも電話に出るように常に耳にイヤホンを付けてして運転している。
いつもの様に運転中にお客さんと話していると、どうも聞こえづらい。
長年使っているイヤホンだ。また壊れたのだろう。実際に今までにもイヤホンは何度も聞こえなくなって取り換えている。
今回も寿命だと思ってこれを機会に買い替える事にした。
コンビニでイヤホンを購入し、さっそく取り換えてスマホの音楽を再生してテストしてみた。

ん?

何かボリュームが小さい。
スマホで設定出来るボリュームはマックスだ。
しかしなんか音も悪いしボリュームも小さいぞ。
あ!これイヤホンじゃなくてスマホが悪いんじゃないか?
原因を突き止めてスッキリ。
まぁ、聞こえないわけじゃないし、思い出した時に修理に出そう。
そのように考えていた。その時は自分の耳の不調など一切頭によぎらなかった。

 

数時間後、営業先から戻り、車に乗った瞬間にスマホが鳴り出した。
とりあえずいつものクセでスマホにイヤホンジャックを差し込み、慌てて片方の耳にだけイヤホンを突っ込んで電話を取った。

ザーザーザーザーもしもーし

ザーザーザーザーもしもし??

 

スッゴイ雑音の中から声がする。
お客さんが工事現場の中から電話しているような聞こえ方がした。
僕の方からも一応言葉を返すが、何を言ってるのか全く聞こえない。
もう片方のイヤホンも耳に差し込んでみるとやっと聞こえた。


   僕:なんか凄く雑音がして声も遠いですけど、どちらにいらっしゃいます?

お客さん:え?会社から電話してますけど、なんか自由意志さんの携帯の調子が悪いみたいですね。

 

   僕:あ、僕のスマホ確かに調子悪いのでそのせいかもしれません。

 

 

ここまできてもまだ気づかない僕。鈍感にも程があると自分でも思う。
しかし日常を健康で過ごしていると、まさか自分の五感に不調が起こっているなど知る術もなかった。

 

 

電話を終え、スマホを握り「いよいよヤバイな、早く修理に出そう」と今日の仕事上がりにでも携帯ショップに寄ろうと考えていた。
そして夕方ごろに仕事も終え、携帯ショップに車を向けた。
今日一日電話は本当に聞き取り辛かった。こんなことでは仕事に支障が出る。
聞き取り間違いをしてはお客さんに迷惑がかかってしまう。
善は急げだ。
今日中に直してもらうつもりだが、最悪代替え機でもいいか、と考えながらおもむろにスマホを手に取り、イヤホンを耳に差し込んで音の悪いレミオロメンを聞いた。

リラックスした中で音楽を聴いていると、左耳からはキレイなメロディが流れている事にようやく気付いた。
そういえばさっきの電話でも左のイヤホンからは聞こえてきていた。
最初に慌てて突っ込んだ右のイヤホンからは雑音だらけだったな。
って事はやっぱりスマホじゃなくてイヤホンの右側が壊れていたのか??
レミオロメンの曲が流れている左耳のイヤホンを抜き、右耳に差し込んだイヤホンだけで聞いてみた。

 

ザーザーザーザー

 

雑音しか聞こえない。
やっぱり、イヤホンがおかしいのか??
いや、待て。このイヤホン新品だぞ。
古いイヤホンも新品も右側だけ壊れている事って普通ないだろう。
どうなんだろうか。
そこで試しに右耳に差し込んでいたイヤホンを左耳で聞いてみた。


こなーーゆきーー♪

 

え、ウソやん。キレイなメロディ奏でてるやん。
え、どゆこと?
半ば混乱した僕。今度は逆に左耳に差し込んでいた、クリアに音を出力していたイヤホンを右耳に差してみた。

 

 

ザーザーザーザー

 

 

あれ??・・・。
壊れてるのは俺の耳の方??
待て待て待て。
左右両側のイヤホンを左耳で聞くとキレイに聞こえる。
逆に右耳で聞くと、左用、右用のイヤホンも雑音しか聞こえない。
ってことは・・・。
やっぱり俺の右耳がおかしなことになっていそうだ。


鈍感な僕はこの時初めて自分の聴力の異変に気付いたのです。
この時になってさえ、割と冷静で「明日病院開いてるかな、めんどくせーな」などと思っていました。
それもそのはず。僕は治る前提でいたし、そもそも「突発性難聴」なんて知らなかったのです。

 

~後編へ続く~

 

【おまけ】

突発性難聴のやっかいなところは、片耳だけに症状が出るところです。
片方が聞こえなくても、もう片方が聞こえると、実はそこまで不便には感じません。
僕はイヤホンを日常的にしていたので気付くことが出来ましたが、そうじゃない人は耳鳴りがするなーくらいに感じている人はたくさんいると思います。
だから1にも2にも即病院にいく事が重要です。
突発性難聴に罹ると

完治するのは1/3

改善するが聴力は元には戻らないのが1/3

全く聴力は戻らず一生耳鳴りと難聴になるのが1/3

未だにこの病気の原因が分からず気付いた時には片耳が聞こえなくなっている。
本当に怖い病気なんです。
一刻も早く病院に行くのが超重要です。
そのへんはまた後編で詳しく説明します。

 

 

後編へ~