自由意志

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ブラック企業に勤める人について考えてみた

ブラック企業について自分なりの考えを整理するべく、書き出してみた。 

「ブラック企業」という名前が市民権を得てずいぶん経つ。先日「ブラック企業大賞」のノミネート企業がリストアップされた。今後リストの中から大賞が選ばれて吊るされていくのだろう。それ自体は良いことだと思う。

今回僕が整理したいと思ったのは「ブラック企業で働く人」について。

 皆さんも周知の通りだと思うが、「俺の企業はブラック企業」の類の話はそこかしこでなされている。ちなみに僕の元勤めていた企業も大賞を取った。従って、いわゆる「ブラック企業」について少しは分かっている。ただ、ここで「残業、給料、パワハラうんぬん」を話すのは、ググれば死ぬほど出てくるので止めておく。何が言いたいかと言うと、ブラック企業は嫌だと言いながら、それが当たり前だと胸を張っている人が少なからず存在する事に疑問を感じているのだ。

まず先日の友人とのブラック話を聞いてほしい。 

 

アパレル関係A:ウチの企業はブラック、ってゆうか漆黒w。闇しかみえないよ!

製薬会社B:ウチはノルマがエグイ。毎日取引先で頭を下げてるよ。

部品製造会社C:朝7時に出社して夜10時に家に着く。疲れた。(なぜかドヤ顔)

 アパレル関係Aは20時に家に帰って一息ついて22時からガッツリ報告書を書くらしい。毎日。自分では漆黒企業と揶揄しているがどこか誇らしげだ。他二人もいかに自分が大変なのかを嬉々として語る。大変じゃなかければ仕事じゃないとでも言うかのように。聞いていると確かに就業時間は結構なものになっているし、サービス残業、サービス出勤も厭わない真面目な面々だ。しかも3人共に人に優しい人格の出来たヤツだ。僕みたなクソとは違う。逆に言えば、だから会社に尽くしているんだと思う。悪い言い方だけど、自分の時間を捧げてまで仕事をするのが当たり前。小さい子供がいるのに週末まで仕事仕事が当然。この様な考えが真面目が故に刷り込まれているのではないかと勘ぐってしまう。そこでこの様なデータを紹介したい。残業時間60時間を超えると幸福度が増すというビックリデータだ。

 紹介した3人は60時間は軽くオーバーしているはずなので、このデータもあながち間違っていないかもしれない。大体60時間以上の残業なんてサラリーマンやってたらすぐに到達するものだ。その程度で感覚が麻痺するなら日本国中全身麻痺している。あ、麻痺しているから日本は成長していないとも言えるかもしれない。まぁそれは置いといて・・・。この「60時間以上の残業で幸福度アップ」は僕の中では合点がいった。この言葉だけで、なるほど!!と視界が開けたような感覚になった。確かに3人も残業が大変だと言っていた。加えて矛盾するようだが会社に対して不満はありながらも、満足している様子でもあった。

 

× ブラック企業は残業過多、高ノルマ、薄給だけど辞められない(他に行き先がない)。不幸せ

 

〇 ブラック企業は残業過多、高ノルマ、薄給だけど、俺頑張ってるし。幸せ。辞めない。

 

 なのかもしれない。僕の単純な脳みそでは嫌なら辞めればいいのに、と思うが皆さんは違うらしい。そもそもブラック企業が嫌ではないのかもしれない。これはブラック企業の考え方を根本から覆す事態だ。もちろんブラック企業の定義にもよるが。

だから同僚も辞めなかったのか!前職のブラック企業大賞獲得会社も辞めたのは聞くところ僕だけだ。それも当然かもしれない。僕が感じていた幸福度マイナス2万ポイント

を他の同僚は幸せに感じていた可能性があるのだから。

 

会社を辞める辞めないはその人の自由であるべきだし、原則自己責任。僕自身はブラック企業は退場するべきだとの考えは変わらないが、もしかしたら、社会へ悪影響はあるもの、必要悪なのではないかと今回考えを改めた。もちろん過労死や自殺させてしまう会社は論外だ。そこは断定した上でこれだけ「ブラック企業はいけない」と日本中が騒いでいるのに一向になくなる気配がないのはどういう事かを考えなくてはならない。残業、ノルマを課せられる事に幸せを感じる人がいるのなら尊重すべきなのかもしれない。ただ、ブラック企業にはせめて薄給だけはどうにかして欲しいと願ってやまない。